「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状」(2012年7月1日)
以下に掲載するのは、6月22日に横手市長宛に提出した公開再質問状と秋田県知事、横手市長、由利本荘市長宛に提出した共通の公開再質問状です。横手市長宛の公開再質問状
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(1/4)」(PDFファイル 31KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(2/4)」(PDFファイル 40KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(3/4)」(PDFファイル 47KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(4/4)」(PDFファイル 40KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(1/8)」《共通》(PDFファイル 44KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(2/8)」《共通》(PDFファイル 43KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(3/8)」《共通》(PDFファイル 47KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(4/8)」《共通》(PDFファイル 40KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(5/8)」《共通》(PDFファイル 42KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(6/8)」《共通》(PDFファイル 34KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(7/8)」《共通》(PDFファイル 43KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開再質問状(8/8)」《共通》(PDFファイル 45KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(表紙)」(PDFファイル 13KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(1/14)」(PDFファイル 353KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(2/14)」(PDFファイル 327KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(3/14)」(PDFファイル 332KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(4/14)」(PDFファイル 338KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(5/14)」(PDFファイル 326KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(6/14)」(PDFファイル 334KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(7/14)」(PDFファイル 326KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(8/14)」(PDFファイル 343KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(9/14)」(PDFファイル 334KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(10/14)」(PDFファイル 328KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(11/14)」(PDFファイル 333KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(12/14)」(PDFファイル 342KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(13/14)」(PDFファイル 307KB)
- 「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)(14/14)」(PDFファイル 388KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(表紙)」(PDFファイル 525KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(1/6)」(PDFファイル 703KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(2/6)」(PDFファイル 678KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(3/6)」(PDFファイル 772KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(4/6)」(PDFファイル 686KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(5/6)」(PDFファイル 659KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(6/6)」(PDFファイル 645KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(資料1)」(PDFファイル 682KB)
- 「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状(資料2)」(PDFファイル 755KB)
秋田県知事、横手市長、由利本荘市長宛の公開再質問状
「災害廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状について(回答)」(2012年7月1日)
以下に掲載するのは、5月18日に秋田県知事宛に提出した公開質問状の回答です。公開質問状への回答
「震災廃棄物受け入れ(広域処理)に関する公開質問状」(2012年5月18日)
以下に掲載するのは、有志が認めた新たな震災瓦礫広域処理に関する質問状です。この公開質問状は、5月18日に佐竹知事宛に、5月21日には横手市長と由利本荘市長に提出されています。
現在でも福島原発の近くに暮らす方々を避難させることもなく、放射能に汚染された食品が自由に流通することを
止めもせず、汚染の拡大だけが進む異様な社会の流れが変わることを祈る気持ちがこめられていますので、
ご覧ください。
有志による新しい公開質問状
秋田県知事からの公開質問状の回答(2011年12月27日)
瓦礫公開質問状の回答と反論、掲載の遅れをお詫びします。
もっと早く県側からの回答とこちら側の反論を掲載すべきでしたが、(1)全国どこでも震災瓦礫を受け入れ
ようとする自治体の回答はコピーでもしたかのように似ているため、市民運動の側も統一したもので応じよう
という考えがあり、その動きを待っていました。まだ全国の運動は連絡を取り合っている段階ですが、有益な
情報は共有されるようになりました。また、(2)食品や土壌の汚染を市民の手で調べるための準備もあり、
このように遅くなってしまいました。とはいえ、一番問題なのは、私の仕事が遅いことであり、支援して
くださっている方々と仲間に深くお詫びします。(村上)
************* 震災瓦礫広域処理問題の現状を考えるうえで *************
先日インターネット上に公開された青山貞一氏の瓦礫広域処理に関する講演は、この問題に関する批判・提言
の決定版と考えられるもので、是非多くの方にご覧いただきたいと思う。この講演で展開されている議論に
反論できないのならば、震災瓦礫広域処理に賛成することも推進することも控えるべきである。
「今、もう一度考える災害瓦礫の広域処理(参議院議員会館) 」:
http://www.ustream.tv/recorded/22778006
県側の回答は放射能がもたらす健康被害の可能性を怖ろしいまでに過小評価している。徳島県の姿勢と比較して
いただきたい。
広域処理賛成意見に対する徳島県の回答:
http://www.pref.tokushima.jp/governor/opinion/form/652
以前から私たちは、福島は大変、秋田も、福島県浜通と比較すれば少数にとどまる可能性が強いとはいえ、
若干の健康被害は生じるであろうと言ってきた。それでも、県内に放射性物質を持ちこまなければ健康被害を
減らすことができるので、食品問題(殊に給食)と瓦礫搬入問題の危険性を訴えてきたのである。
もし政府が水俣病と同じ悲劇を繰り返そうとするのなら、政府の言う通りにするだけでは県民の命と健康、
秋田の自然と産業を守ることはできない。私たちは内部被曝こそが危険だという立場から、昨年春の時点で
既にクリス・バズビー博士の見解を紹介(環境と暮らしを考える集いのホームページを参照していただきたい)し、
内部被曝防止講習を続けてきた。木下黄太氏や野呂美加氏の講演会も開いている。こうしたささやかな努力が
ひとりでもいいから病人を減らすことに結びつけば幸いである。
内部被曝についてとても判りやすい本が出たので紹介したい。矢ヶ崎克馬氏が守田敏也氏を聞き手としてまとめた
『内部被曝』(岩波ブックレット、2012年3月)である。要点はふたつ。(1)外部被曝よりも内部被曝のほうが
はるかに危険であること、(2)ガンマ線を放出するセシウムの同位元素よりも、アルファ線、ベータ線を
放出する核種であるウラン、プルトニウム、ストロンチウムのほうが強い遺伝子損傷をもたらすこと、である。
是非読んでいただきたい。セシウムの値ばかりを問題にするマスコミならびに政府と自治体の姿勢は根本から
間違っていることがお判りいただけよう。一度土壌、地下水、河川に広がった放射性物質は必ず私たちの体に
入ってしまう。即座に健康への影響はないかも知れないが、癌その他の深刻な健康被害を長い年月のうちに
引き起こす。そして、問題はアルファ線、ベータ線核種が広範囲に飛散していることである。ちなみにおふたりとも
昨年秋田市で講演してくださっているが、おふたりの努力が実ることを願ってやまない。
本日おふたりの講演が福島市であったので、録画をご覧いただきたい。
http://www.ustream.tv/recorded/22814102
http://www.ustream.tv/recorded/22814447
http://www.ustream.tv/recorded/22814265
http://www.ustream.tv/recorded/22814773
瓦礫に関しても、アルファ線、ベータ線の計測をしないのならば、計測の意味はないに近い。また、細野環境相が
やってみせたように、ガンマ線しか測れないガイガー・カウンターで外側から瓦礫を測るのでは、最早子供も
騙せないであろう。
福島における健康被害は本格化する兆しをみせている。放射能の危険性に対する過小評価から震災瓦礫の広域処理
まで政府の言う通りでは、子供の命と健康は守れない。中手聖一氏の統計分析をお読みいただきたい。
「福島県の子ども」の病死者数について
-政府・人口動態統計から分かった事故後の変化-
http://dl.dropbox.com/u/17135518/nakate.pdf
海外からは次々と提言や警告が届いている。インターネットにイアン・ゴダード氏がまとめた低線量被曝に関する
警告のヴィデオに日本語訳があるので紹介したい。年間20ミリ・シーベルト以下であれば、一般の生活にも
学校教育にも支障はない、というのが政府の見解だが、核施設労働者の平均被曝値よりもはるかに高い値であり、
今後福島県東部では子供(殊に女児)を中心に多くの癌患者が発生する可能性が強いことが改めて指摘されている。
イアン・ゴダード氏の警告:
http://www.youtube.com/watch?v=ywKv0dj3UuY
上記ヴィデオの要約:
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/316.html
ヘレン・コールディコット博士の警告:
http://www.youtube.com/watch?v=nsrik7HEvh8&feature=related
アレクサンドル・ヴェリキン氏来日講演~権利を勝ち取った苦難の歴史
「チェルノブイリ法」への道のり~年1ミリシーベルト以上を「避難の権利ゾーン」に~まとめ(暫定版)
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/a-c939.html
真実はどこに? - WHOとIAEA 放射能汚染を巡って -
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI
<放射能を拡散させない市民の会、秋田県中央>のホームページで、私は「こうした日本に対する善意の提言が
幻想や虚妄だと思う方がいらっしゃるのならば、一度一緒にヨーロッパへ行きましょう。殊に、社会に対して
影響力のある方々、行政において責任ある立場にいらっしゃる方々に申し上げます。一度海外の方々にお会いし、
現地の病院を視察すれば、彼女ら彼らの善意が痛いほど判るでしょう」と提案したが、視察や旅行を準備してくれ、
あるいは同行してくれ、という要望は残念ながら一度もいただいていない。放射性物質を環境に拡散させてしまう
ことは海外では常識外れであり、「従軍慰安婦など存在しなかった」とか「南京大虐殺はでっちあげである」といった
世迷言と同様、日本国内だから堂々と言えることである。そうした「日本の常識、海外の非常識」とは対照的に、
私たちは海外に多くの友人や支援者を持っている。去る3月、私は合州国の知人の招きで、
ニューヨーク(ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校)、サンフランシスコ、バークリーで福島問題に
関する講演をする機会を得た。ラジオ局にも招かれて、しゃべっている。たとえ日本では(殊に秋田では)少数派かも
知れないが、他の先進国へ行けば、まともな人間として遇されるのは、こちらのほうである。
もし秋田県の行政を動かしている方で、合州国のNGO、例えばフェア・ウインズの職員と会って話したいのであれば、
すぐにでも準備するので、連絡をいただきたい。
http://www.kpfa.org/archive/id/79416
http://www.youtube.com/watch?v=mECXIeYq5cU&feature=youtu.be
http://www.sbstatesman.com/students-learn786
http://eon3emfblog.net/?p=4726
http://www.yourownhealthandfitness.org/?page_id=10898
http://www.straight.com/article-660131/vancouver/japanese-professor-says-fukushima-radiation-leaks-are-harming-childrens-health
2012年5月24日
秋田大学教育文化学部 村上 東
公開質問状への回答・添付資料のファイル
秋田県知事への震災がれき受入れについて公開質問状(2011年12月8日)
(1) 基準値を守ることが安全確認にならない事態であることを、どう考えているのか
仮に基準値の1キログラムあたり100ベクレル以下の放射能値であるとしても、受け入れる瓦礫
が大量であれば放射性物質の量もそれに応じて多くなる。放射性物質の総量が大きいのであれば、
単に重量あたりの基準値を守ることが安全確保にむすびつかないのではないか。
(2) アルファ線核種、ベータ線核種の計測は安全確認作業に含まれるのか
ウラン235は半減期が7億年以上、ウラン238は半減期が44億年以上、プルトニウム239の半減
期は2万4千年以上、ストロンチウム90の半減期が約29年である。半減期が恐ろしく長いうえに、
毒性は極めて強く、たとえ少量でも体内に取り込むと内部被曝による健康被害の原因となる。福
島原発事故に伴って拡散した放射性物質のうち、これらのアルファ線核種やベータ線核種はセシ
ウム137などと比較して少量であると推定されているが、ガンマ線核種をしのぐと言われる危険
性があることは否定できない。ガイガー・カウンターなどで容易に測定できるセシウム137など
のガンマ線核種と異なり、アルファ線核種とベータ線核種の計測には桁違いの時間、労力、費用を
要する。こうした放射性物質も計測し、放射線量が極めて低い日常的な環境放射能と同程度か
それ以下であることが条件となろう)ことを確認したうえで安全宣言を出すべきである。このこ
とは子孫に災禍を残さないために必要である。アルファ線核種とベータ線核種の計測を私たちは
強く求めるが、準備はあるのか。アルファ線核種とベータ線核種の計測を含まない安全確認は安
全を保証したことにはならない。
(3) ゴミ焼却による濃縮と拡散をどう考えているのか
ゴミの焼却には、放射性物質以外にも、危険が伴うことが指摘されている。化学的な毒物である有
機水銀やダイオキシンに関しても、ゴミ焼却場による濃縮と拡散が問題となる。放射性物質を焼
却し処分場に埋めることから生じる危険をどう考えているのか。焼却時の温度が高ければセシウ
ムは気化し大気を通じて拡散してしまう。温度が低ければゴミと一緒に濃縮され、どちらにして
も環境に悪影響を与える。
(4) 処分場からの地下水と大気による拡散をどう考えているのか
密閉度の高い処分場を用意したとしても、半減期が長い放射性物質の毒性が消えるまでには、必
ず環境に拡散してしまう。粘土層でも時間の経過で漏れ出すと言われており、一度地下水へと拡
散したら、手の施しようがなくなる。また、密閉せず処分場に積むだけならば、すぐにほこりある
いは微粒子となって拡散してしまう。こうした影響を考慮しているのか。
(5) 産廃施設に関する情報の不透明さをどう考えるか
産廃施設が環境にもたらす影響は今生きている県民だけではなく、今後秋田に生まれる子供たち
にも影響を与える。施設の所有者、産廃業者だけの問題ではけっしてない。しかし、能代の処分場
にみられるように、産業廃棄物処理の実態はベールに包まれており、一般市民には伝えられてい
ない。化学物質のみならず放射性物質も産廃問題に加える政策を提言する以上、産業廃棄物処理
に関する全面的な情報公開がなければ、監督指導責任、言い換えれば県民の健康に対する責任を
果たせないのではないか。
(6) 過去に起こった原発事故による健康被害をどう考えているのか
首相官邸のホームページに4月15日から掲載されている「チェルノブイリ事故との比較」では事
故によって生じた健康被害が恐ろしいまでに過小評価されている。しかし、汚染と被害はヨーロ
ッパ全土に広がり、秋田を含む日本やアメリカ合州国でも癌や乳幼児死亡率のかたちで健康被害
が増大したことが肥田舜太郎医師やJ.M.グールド博士、アーネスト・スターングラス博士の
研究で判明している。汚染度が低いということ、ならびに事故現場から遠いということが地球被
曝という事態が生じた場合には何ら安全の保証にならないことをどう考えているのか。
(7) 経済リスクをどう考えているのか
全国の自治体のなかには、瓦礫や汚泥の受け入れに慎重であったり、はっきりと受け入れ拒否を
公表しているところも多い。秋田県全体で、あるいは自治体単位で受け入れた場合、秋田県全体が
危険視され、県内でつくられ他県へ出荷されるものが、農産物であるか工業製品であるかを問わ
ず、市場価値を落とし、県経済に多大な打撃を与えることが予想される。秋田県は、風向きと奥羽
山脈に助けられ現在までは軽度の汚染で済んでおり、県内産業には有利な条件が出ているが、そ
れを無にしてまで、受け入れるメリットは何か。
(8) 震災復興事業への県経済積極参与は考えていないのか
東日本大震災の復興事業において、被災した福島、宮城、岩手の三県では地元業者優先の策が取ら
れている。被災の程度は格段に軽かったとはいえ、県経済がふるわない点では秋田県も同じであ
る。しかし、県内の産廃業者にある程度の利益が見込まれるものの、復興事業による県経済活性化
策はあるのか。ないとしたら、放射能を含んだゴミだけを秋田県が引き受け、危険を背負い込むだ
けでほぼ何も利益はなく、県民の不安を増すだけである。県民重視の政策とはけっして言えるも
のでないのではないか。この展開を県民にどう説明するのか伺いたい。
(9) そもそも瓦礫引き受けか否かという問題設定がおかしいのではないか
全国、殊に大都市部からゴミが出る。それを過疎地が引き受けるという構図はそもそも秋田県に
とってマイナスではないのか。過疎地だからゴミ捨て場というのであれば、さらに過疎が進み、秋
田県の再生にはつながらない。また、被災地が産廃問題で困っているというのであれば、現地の産
廃処理に金銭的あるいは人的支援が可能である。さらに付け加えれば、放射能に汚染されたゴミ
はすべて第一義的な責任者である東電が引き取るべきものである。そうした大きな問題群をまっ
さきに取り上げず、県内への瓦礫受け入れだけを前面に打ち出すことは、将来の県政を考えても
疑問が生じるし、広く県民の理解を得られないのではないか。
(10)福島県からの避難者への対策のほうが急務ではないか
本県には福島に広がる高度の放射能汚染を避けて避難してきている方々も多い。東電の責任を肩
代わりする予算があるのだったら、避難者救援にあてるのが筋ではないのか。
(11)過疎化対策、少子化対策を無駄にする可能性をどう考えているのか
秋田県と県内の自治体は、過疎化対策と少子化対策を力強く進めてきた。しかし、瓦礫・汚泥受け
入れは、若い県民の流出や出産・育児に対する不安を増大させてしまう。この可能性どう考えて
いるのか伺いたい。現在、事故現場に近い福島県東部などから県内に避難してきている方々は多
い。もし、雇用確保と定住化が図れれば、県経済に起死回生の策となり得る。しかし、放射性物質を
含むゴミを受け入れた場合、この機会を逃すと同時に、秋田県を避難先に選んでくださった方々
をも裏切ることになりはしないか。
(12)首都圏の下水処理で出る汚泥まで受け入れることにならないか
首都圏の下水処理施設から出る汚泥には高度の放射性物質が含まれている。岩手県、宮城県にお
ける震災・津波被害で出た瓦礫を受け入れることは、首都圏からの放射能汚染物を秋田県が受け
入れる道を開くものとならないか。県や市町村で正式な受け入れをしないとしても、厳しい規制
がなければ今後首都圏からの危険物流入は、密輸のようなかたちで、起こり得る。産廃規制の強化
を考えているのか。